この「失敗シリーズ」ではダンゴムシ飼育をする中で失敗したことと改善策について書いています。
個人的な意見であり、特定の商品や特定の方を貶める意図はございません。
一年半前、マジックポーションを飼おうと決めた際、私はBASEの奇虫屋さんから購入することにしました。
BASEのようなオンラインストアで販売されているダンゴムシとヤフオクで出品されている同じ種の価格を比較すると、オンラインストアは割高です。
しかし当時私はほとんど虫を飼ったことが無かったため、BASEの方なら飼育方法で困ったことがあったら質問できるかもという気持ちで信頼感からそこを選びました。
届いた時は丁寧な梱包に感謝し、その後も何回か飼育方法の分からないことを質問させていただき本当に助かりました。
それから随分経ってから違う色のオカダンゴムシを導入したくなったのですが、もうあまり飼育方法についての不安も無くなってきたこともあり、信頼感よりも安さに惑わされてヤフオクからダンゴムシを買ってしまいました。
これは失敗だったなーと思っていて・・・今回はこれについて書きたいと思います。
まず、私はトビムシを導入する際にもヤフオクを利用していまして全ての出品者様が今回書くような内容に当てはまる訳ではないと知っています。
そのためヤフオクに限らずネットで生体を購入する際に信頼できる出品者かどうかチェックできるポイントについて後述したいと思います。
失敗ダンゴムシ通販『ヤフオク』
失敗の理由①品名が適切ではない。
ヤフオクで購入してヤマト運輸で届いたダンゴムシですが、伝票に書かれている荷物の品名は・・・「昆虫の餌」でした。
そのため、特に配達員の方も特に天地に気を遣って無いような様子でした。
そもそも、ヤマト運輸では契約を交わした依頼主を除いて生物の輸送をしていません。
そのため未契約の方が虫を送る際は品名に素直に虫と書かず品名には大体「生花」「観葉植物」などと書いて丁寧な取り扱いを期待するのが暗黙の了解となっているらしいです。
とても繊細な物で且つ土が入っていることが分かるから天地にも気をつけてもらえるし、ちょうど良い品名ですよね。
(初っ端からグレーな話ですね。)
ところが、このヤフオクで届いたダンゴムシの品名は「昆虫の餌」ですから、気をつけてもらえる訳も無く。
虫から連想して書いたのだろうと思いますし確かに分かりやすいのですが、輸送の取り扱い方を想像すれば「生花」等の方が適切です。
昆虫繋がりでは「昆虫標本」等もありそうですが繊細さは伝わっても天地に気を遣ってもらえるかは微妙です。
郵便局では唯一ゆうパックだけは哺乳類を除く一部の生物を送ることを認めていて品名にも生物の種類と数を詳細に書けます。
ヤマト運輸の契約・ゆうパックともに、生物の輸送を認めていたとしてもそれは特別な管理をするという意味では無いと思われます。
失敗の理由②梱包が簡素すぎた。
私がヤフオクで購入したダンゴムシは梱包がとても簡素でした。
ヤマト運輸の「宅急便コンパクト」の薄型の段ボール箱に新聞紙が詰められ、その中にそのままプリンカップが入っていました。
そのためプリンケースの底と天面は段ボール1枚を挟んだだけの状態。
衝撃や熱が伝わりやすく輸送中のストレスが容易に想像できました。
少なくとも入っていた10匹ほどは死んでいて、生きている個体も相当参っていたようで翌日に死んでしまう子もいました・・・。
BASEの奇虫屋さんでダンゴムシを購入した時には、段ボールの中にピッタリの発泡スチロール箱が入っていて、その中に丸めた新聞紙が詰められ真ん中に生体を入れたプリンカップが入っていました。送料は1500円でした。
丁寧な梱包と普段からの良い飼育のおかげなのか、真冬にも関わらず1匹も死なずに届きました。(死着保証分も含めて12匹)
このように段ボールに直では無く間に発泡スチロール箱を挟んでほしかったですが、発泡スチロール箱は高価な梱包資材ですし、厚みが出ると送料が高くなるから薄くするためにこの簡素な梱包なのでしょう。
このヤフオクで購入したダンゴムシの送料は900円と表記されていました。
ヤマト運輸の宅急便コンパクトの宅配料金は専用ダンボール込みで730円です。
これを事前に知っていれば送料と配送方法の設定を見ただけで丁寧な梱包は期待できないことは気づけていたので、ダンゴムシに限らずオークションサイトやフリマアプリを利用するなら宅配便と郵便の料金と梱包資材の値段を把握しておくのは大事だなと思いました。
生物輸送でよく使われる各配送方法の料金を書いておきます。
あまりに小さな梱包で発泡スチロール箱が入らないような配送方法は除外しています。
●クロネコヤマト
・宅急便タイムサービス(60〜200サイズで翌朝10時までに配達できる)
60サイズ 1270円〜
80サイズ 1890円〜
・普通
60サイズ 930円〜
80サイズ 1150円〜
●郵便
・定形外規格外郵便物(3辺の合計が90cm)
250g以内350円 +速達260円 =610円
500g以内510円 +速達350円 =860円
1kg以内710円 +速達350円 =1060円
・ゆうパック(ほぼ翌日の午前中に配達できると言われている)
60サイズ 820円〜
80サイズ 1130円〜
(2024年5月の料金です)
一般的な60サイズの発泡スチロール箱は大体150円前後です。
60cmのダンボール箱1枚は大体100円弱です。
カイロと保冷剤は1個30円ほど。
この他プリンカップや新聞紙など込みで梱包に最低でも300円ほどかかっていると考えられます。
オリジナルのロゴシールやチラシなどがある場合、さらにコストは上がります。
定形外規格外郵便+速達の最安値は610円ですが、重量を250g以内にすることはほぼ不可能だと思います。
そのため、生体販売で丁寧な梱包を期待できる送料設定は宅配便・郵便ともに1200円くらいからと言えます。
宅急便タイムサービスは丁寧な梱包を期待するならば最低でも1500円はかかると考えて良いでしょう。
どの配送方法がオススメなのかについてはまた後述します。
(嫌な購入者だな〜)
当時の私は宅配便の料金と郵便の料金もよく知らなかったため送料900円くらいかかるならば大丈夫だろうと思ってしまいました。
それでも、私がヤフオクで見た中では送料900円は高い方だったんです。
ヤフオクのようなオークションサイトでは隣に他の出品者が並び、閲覧者は容易に価格比較ができてしまいます。
BASEは店主の方がSNSやブログをされていることも多く信頼感などの付加価値がありますが、ヤフオクは誰でも素性を明かさずに気軽に出品できる分無個性になりやすく、送料を削るほどに価格競争が起こってしまうのだと思います。
失敗の理由③やけにたくさん入っていた。
小さなプリンカップにダンゴムシが50匹以上は入っていました。
何匹購入したかは失念しましたが、少なくとも倍以上です。
多く入っているのは普通ならサービス精神と捉えるところですが、表記されていた数と比べてあまりに多すぎるのとたくさんのダンゴムシが死んでいるのを見た後なので、この梱包でダンゴムシが死にやすいのを分かった上で「死んでも注文した数以上が生きてれば良いだろう」という風に見えてしまいました。
確かにオカダンゴムシは繁殖力が強いですから、たくさん入れる代わりに梱包代を削った方がコスパは良いでしょう。
後から知ったことですが、ダンゴムシ通販はオススメの副業の一つとして紹介されることもあるらしいです。
この出品者さんがそうだと決めつけてはいませんが、命が気軽に副業利用されるのは辛いです。
モヤモヤと思うところはあっても、私もお金で命を買ったわけですから正義を振りかざす権利はありません。
波風を立てずに高評価をして取引を終了させました。
が・・・その後、悲劇が起こりました。
失敗の理由④キノコバエが混入していた。
うちのダンゴムシの飼育ケースは「コバエシャッター」を使用しており侵入する隙間は無いにも関わらず、ヤフオクのダンゴムシを導入してから約2週間後にキノコバエが発生するようになりました。
ダンゴムシが入っていた土に幼虫か卵が混入していて約2週間経ってから成虫になったと考えるのが自然です。
前述の通りカップの中にとてもたくさんのダンゴムシが入っていたので大小入り混じったダンゴムシの全てを丁寧につまみ上げることは困難で、多少は土と一緒に入れてしまうしかありませんでした。
結局、飼育ケースはキノコバエの繁殖ランドと化し飼育環境のリセットを余儀なくされました。シクシク。
失敗の理由⑤何かあっても後から連絡できない。
実店舗やBASEの奇虫屋さんで前述のようなトラブルがあれば後から連絡することも可能ですが、ヤフオクではそれができません。
また、連絡できたとしてもヤフオクはオークションサイトであり個人の方から譲っていただいたに過ぎないため「買ったこっちの自己責任かな」と思い連絡をするのは気が引けますよね。
失敗の理由⑥ダンゴムシ副業を助長してしまう。
大きな視点で見れば、ヤフオクのような誰でも気軽に出品できるサイトからダンゴムシを購入することによって、虫を使って副業が気軽にできる、儲かる、という世間の認識を作ってしまいます。
ダンゴムシが本当に好きな方がダンゴムシを扱って仕事をするのは良いと思います。
が、ダンゴムシが特に好きでも無い方に「オススメの副業」「繁殖が簡単」などと言われるのは正直許せないです。
これからヤフオクでダンゴムシ副業しようかな♪と思っている方がダンゴムシ副業についてネット検索してこの記事に辿り着いた時に「虫好きってこんな神経質な奴多いのかな?こんなの相手に商売するのめんどくさい!割に合わない!」と踏みとどまっていただくことが今回記事を書いた目的なので、あえて極端な言葉を選んで使っています。
また、前述した通りヤフオクを見るとどんな品種も大なり小なり価格競争で安くなりすぎている印象で、今さら参入しても競争相手の多さから儲かることは難しいと思います。
ダンゴムシはどこから買えばいい?
じゃあどこから買えば良いんだっていう話なんですが、ネットで良質な販売者様や出品者様を見つけるポイントを箇条書きしました。
①送料設定は最低1200円。
郵便・宅配ともに最低1200円。
ヤマト運輸の「宅急便タイムサービス」であれば最低1500円。
前述しましたが、これはダンゴムシのような小さな生体を1種類だけ購入する場合に丁寧な梱包を期待でき且つ良心的な送料設定です。
大きな生体であったり複数購入する場合はもっと配達コストは上がります。
送料が高いとケチらず生体にとって良い配送方法の出品者を選びましょう。
②配送方法・梱包方法について明記してあること。
配送方法はオススメ順に箇条書きにします。
・ヤマト運輸の「宅急便タイムサービス」
・郵便局の「ゆうパック」
・ヤマト運輸の通常便
定形外規格外郵便+速達での配送方法は原則はオススメしません。
品名も書けませんし、宛名のある面を上にはしてくれますが天地無用の対応をする訳ではありません。お届け先によって翌日に必ず届くという保証はありません。
梱包について、前述通り送料の設定からどのような梱包で届けられるかは大体予想がつくのですが予想を立てずとも丁寧に梱包してくださる方なら大体丁寧に梱包方法について明記してあります。
真夏は死着のリスクが高まるためそもそも購入しない方が良いですが、もし夏であれば包んだ保冷剤を同梱する等の暑さ対策が明記してあること。
同様に冬は包んだカイロを同梱する等の寒さ対策が明記してあること。
不在で受け取れないことも考え、販売者が毎週何曜日に発送でき何曜日に到着するのか等もあらかじめ明記してあるともっと良いと思います。
③試着保証の数が明記してあること。
この理由は前述の通りです。よっぽど小さな生物で無い限りは、きちんと数を数えて入れてくださる出品者を選んだ方が安心な気がします。
④できればオンラインストアでの販売であること。
BASEやSTORES等のオンラインストアでは何らかのトラブル時に取引が終わった後も連絡することができますし、ストア内では特定商取引法に関する記載として個人法人関係なく必ず本名を公開しているため、信頼度が全く違います。
ヤフオクでは個人は本名を公開する必要はありません。
(特定商取引法は消費者を守るための法律で、訪問販売やネット通販などのトラブルを生じやすい取引を対象にしています。)
自分でとってこよう
ここまで書いておいて身も蓋も無いですが、ダンゴムシを飼う時、自分の住んでいる地域で拾ってきて飼うのがベストなやり方だと今は思います。
当時、普通の黒いオカダンゴムシの魅力に気付けなかった私は普通のダンゴムシはあんまり可愛くないから珍しい色彩変異種(マジックポーション)が欲しいと思い安易に奇虫屋さんから購入しました。
もちろんマジックポーションはものすごく可愛いですが、通販での虫の購入は上級者向けの選択であり当時の私にはまだ早かったと思います。
実際にダンゴムシを飼育し始めて、ダンゴムシがとても臆病で振動に敏感なことが分かりました。
長時間続くトラックの振動や荷台の籠もった空気が敏感なダンゴムシにどれだけのストレスを与えるか、何故必ず死着保証があるのか、何故ヤマト運輸も郵便局も原則生物を入れることを禁止しているのか、今ではよく分かります。
前述のポイントを全て満たす優良な販売者様であっても、どれだけ丁寧に梱包したとしても、多少は死んでも当然です。
通販でダンゴムシの購入をするなら少なくともそういったことを分かってからにすれば良かったと思います。
私のような虫飼育をしたことの無かった初心者が虫を飼いたいと思い、あまつさえ珍しい色のオカダンゴムシが欲しいのなら、本当はスコップ片手に公園に行き自分で苦労して探すべきだったのです。
そうして時間をかけて自然と向き合って探せばダンゴムシがどんな場所を好むのか、どんな物を食べているのか、そうした生態が飼う前に自ずと分かり「失敗シリーズ①〜⑦」で書いた飼育方法の失敗も無かったかもしれません。
ですが、当時は仕事の忙しさからも「かけるべき手間や時間をお金で補う」ことが習慣になっていました。労力をかけずに“可愛いペット”が欲しかったので、そのあたりを薄々分かっていながら目を瞑ってしまいました。
初心者の方にダンゴムシの品種をオススメするなら「普通の野生のオカダンゴムシ」です。
普通のオカダンゴムシの色々な色彩を孕んだ黒色も綺麗なものです。
探せば白っぽい個体も見つかります。
野生のダンゴムシたちを観察すれば、彼らの小さな暮らしに心が洗われることでしょう。
いかがでしたでしょうか。ご参考になれば幸いです♪
【参考記事】
ヤマト運輸『ペットや生き物、昆虫は、送れますか?』
https://faq.kuronekoyamato.co.jp/app/answers/detail/a_id/3158/
日本郵便『生きた動物をゆうパックで送れますか?』
https://www.post.japanpost.jp/question/153.html
ヤマト運輸『宅急便コンパクト』
https://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/customer/send/services/compact/
ヤマト運輸『宅急便タイムサービス』
https://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/customer/send/services/time/
ヤマト運輸『宅急便』
https://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/customer/send/services/takkyubin/
日本郵便株式会社『大一種郵便物 手紙』
https://www.post.japanpost.jp/service/standard/one_size.html
日本郵便株式会社『ゆうパック』
https://www.post.japanpost.jp/service/you_pack/index.html