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ペットの卓上撮影での反射軽減。C-PLフィルターはどう?【買う前に読んで!⑥前編】

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このページではカメラ関連品・マクロ撮影機材などについてご紹介しております。

カメラ初心者の方へ向けた記事であり、上級者の方が読むと時間の無駄になってしまうと思われます。

 

飼育ケースの中のペットを卓上撮影する時「せっかくのシャッターチャンスだったのに周囲の物が反射して白っぽい画面になった・・・」ってことありませんか?

私はよくあります。

ケース左側に窓の光が反射している様子。

シャッターチャンスのその時に、映り込み・反射を起こしている周囲の物をなんとかしようとバタバタしている暇はありません。

普段から映り込み・反射の原因を極力減らしておく必要があります。

 

反射を軽減する撮影ブースを作るためにやったこと

アルミ断熱シートの反射を遮る

ギラギラに乱反射を起こしている。

一番光る物といえば、まずはラック内のアルミ断熱シート。

これは冬場に保温器具*1の効果を高めるために覆っている訳ですが、これが当然ギラギラ光っています。

 

壁面には黒画用紙

撮影する時、背景に光るものがあるとオートフォーカスが効きづらいので不便でした。

それに、このギラギラの壁は光を嫌う生物の視覚にもストレスになるでしょう。

 

そこで、光を遮るために中にA4の黒ボール紙を並べて立てました。

(ボール紙とはお菓子の箱などに使われる分厚く堅い紙のことです。)

この黒ボール紙は百均(Watts)で購入した物です。3枚100円。

安上がりな対策に見えますが、実はこれには良い点がたくさんあります♪

 

・黒い下敷き等のプラスチックに比べて紙は反射しない。

・画用紙ではなくボール紙なので、しならなくて立てやすい。

・布に比べて紙はダニが付きづらく洗濯不要。もし汚れたら気軽に交換できる。

 

ダニ対策*2していても、虫を飼育する以上はダニを0にすることはできません。

ダニや埃が溜まった時に洗濯が面倒臭いので布はあまり置かない方が良いかなと思います。

 

この黒画用紙は撮影する時に反射を遮ってサッと立てかけたり敷いたりしてできるので余分に置いておくと便利です。

 

ちなみに『写真に写る背景だけ黒くなればいいや』なんて思って下記の写真のように全ての壁面がきちんと覆われていない設置の仕方だと、乱反射が思わぬところに影響を与えてしまうため効果は半減します。

そのため、上の写真のようになるべく高くボール紙で覆います。↑

ボール紙を横向きにして置いてみた。効果は半減。

 

床面には合皮マット

お次は、床面がこんな風に反射するのを防ぐためにここにはマットな質感の合皮を敷きます。

こちらも百均(Watts)でA4サイズ1枚100円で購入しました

このように折れ曲がる部分では特に光を反射しやすいため、素材を選ぶ必要があります。*3

合皮の艶の具合は様々なのでネットでは無く百均や手芸屋さんで現物を見て買われることをお勧めします。

 

前の方に敷くだけで撮影する面の反射は防げます。ラックの骨も反射するため骨も隠すように長めにしてだらんと下に垂らしました。

また、飼育ケースのすぐ下辺りは時々ダニが歩いているのでダニの温床になりやすい布は避けました。

 

机の映り込みにはリメイクシート

机の天面の映り込みも目立ちます。

下部は黒い合皮のおかげで良い感じですが、机が映り込んだ上部が白っぽくなっています。

天面が薄い色の机なので、とても映り込みます。

そこで、机の前面にマットな黒い「リメイクシート」を貼ってみました。

貼るとこんな感じに。

貼った後の写真。自分の体で影を作るようにしながら撮れば、ほぼ完璧に反射が消えます。
オススメのリメイクシートはこれ

この商品はザラザラした質感で艶を抑えられていますが、それでも多少は細かいラメのような反射があります。

完璧に机の反射を防ぎたいならリメイクシートよりは合皮を敷いた方が効果的かもしれません。

 

リメイクシート貼りは手間がかかりましたが、おかげでさらに撮影がしやすくなったので個人的にはやった甲斐はありました。

ダニや汚れがよく見えて衛生的になりその点も良かったです。

 

リメイクシートを貼る時のコツ

・できるだけ誰かに手伝ってもらいましょう。

・一人はまだ貼っていない側の両端を持って斜め上に引っ張ります。(両端を思い切り左右に引っ張りつつ)

・もう一人は物差しやヘラ等で中心から外側に向けて空気を抜きながら貼ります。少しずつ貼っては裏側を少しずつ剥がしていきます。

・全て貼り終わってから針で刺せば気泡は消えます。穴も目立ちません。

 

生体の撮影ブースができました。

そして、飼育ケース置き場兼撮影ブースはこんな感じになりました。

必要であれば、こんな風に自由な角度で紙を立てかけて撮影しています。

 

キリッとシャープな描写を求めるなら、何も隔てていない状態で撮影するのが一番です。

それはもちろんですが、今回のように飼育ケースの反射・映り込みを無くし、後からほんの少し加工をすればなかなかキリッとした描写にできます。

 

ちなみにC-PLフィルターってどう?

反射を防ぐ方法の一つとしてカメラのレンズ先端に取り付ける「C-PLフィルター」という物があることを最近知り、買ってみました。

「円偏光フィルター」とも呼ばれます。

PLフィルターの内フィルターを回して反射の具合を微調節できるようになっているものをC-PL(Circularの“C”)と呼ぶようです。

 

円偏光フィルターには以下のような効果があるとされています。

KenkoのC-PLフィルターパッケージの裏。

主に屋外での風景写真に対して使われるようですね。

果たして卓上撮影の飼育ケース表面の反射を防ぐのには役立つでしょうか。

検証してみたら、結果はこうなりました。↓

確かに、ダンゴムシの写真を見ると白飛びを防いで本来の色を出す効果があることが分かりますね。

 

反射はあんまり防いでない

ただ、最下段の写真ではわざと反射が出てモヤッとするような位置で撮影したのですが、C-PL使用でも特にモヤッと感は抑えられていないのと、強く赤みが出てしまっているのが残念です。

フィルターを回せるようになっているのでクルクルして何枚か撮ってみましたが、どれも大きな変化は無くほぼ同じです。

少なくともこの検証では“ただ全体的に暗くなっているだけ”のような印象でした。

 

画質が低下する

また、以下の比較をご覧いただくと分かる通り画質が劣化します。

高価な物であればもっと違うのかは分かりませんが、レンズと被写体の間にフィルターを隔てている以上は大なり小なり画質の劣化はしますよね。

 

C-PLフィルター、あんまり使う機会無さそうです。

公式からアクセサリとして出ているグッズ以外は付け足しても基本あまり良いことが無いな〜と思いました。

 

 

反射を防ぐ方法については以上です。

ご参考になれば幸いです。

 

 

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【関連記事】

飼育ケースのキズについて書いています。↓

dangomushijouhou.hatenablog.com

*1:

*2:

dangomushijouhou.hatenablog.com

*3:この部分にもリメイクシートを使おうとしましたが合皮に比べて曲げると反射がとても強く、合皮の優秀さを思い知りました。