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触角を両方失ったダンゴムシ
この映像の中でチラッと見えるお腹を確認すると、最初に出てくる白いダンゴムシはメスで次の赤いダンゴムシはオスに見えます。
いつも勉強させていただいているサイト「ダンゴムシジャパン」さんの調査では触角を欠損しているダンゴムシの性別割合は圧倒的にメスが多いそうです。
性別が関係していて触角が取れそうな原因として思いつくのは、オスのちょっかい。
ですが、オスがメスに乗っかる場面はよく見かけますが、その際に触角をかじっているような場面は見たことがありません。
そのため、オスにちょっかいをかけられたのがたまたま脱皮直後で体が柔らかかったなどの特別な条件が重なった結果触角が取れるのかもしれないな〜と考えていました。
この動画を投稿した後日、上記映像の白いダンゴムシとほぼ同じくらいの体長(5mmくらい)で同じように両方の触角が根元から無いメスダンゴムシを発見しました。この映像の個体とは別の個体です。
そのメスダンゴムシはヘトヘトした様子で元気がなく、結局発見の翌日に死んでいました。
2匹のダンゴムシの体長・性別の共通点から、「初めての生殖脱皮を迎える(もしくは迎えた)交尾経験の無いメスを独占したいオスの執拗なちょっかいのせいで触角が取れてしまいやすい」というストーリーを想像しました。
何故なら、ダンゴムシのメスはオスの精子を1年ほど体内で保存することができるからです。
メスは先に保存した精子の方を優先して使い受胎するため、遅れを取るほど自分の子を産んでもらえる割合は低くなります。
ちなみに上の動画を投稿してからから1ヶ月半が経ち・・・
触角が両方再生しました。
非常によく似たダンゴムシを発見しました。恐らく同一ダン物です。
再生できて良かった。
触角欠損の理由について予想だけ立て、それから触角欠損を見ることもなく随分経ったある日、お腹に赤ちゃんを抱えたメスがオスにくっつかれていました。
メスの触角欠損はオスのせい?
このベージュ色のメスはダンゴムシの品種同士が交配して生まれた子なので誕生の時期を把握しているのですが、まだ生後約4ヶ月です。
とても若いため、お腹の子も初産と思われます。
このメスは観察していた間だけで少なくとも10時間はこの状態でくっつかれていました。
そして翌日、右の触角を欠損していました。
さらに翌々日には、左の触角も欠損してしまっていました。
やはり触角欠損にはオスが関わっているのでしょう。
そして、若いメスほど執拗なちょっかいに遭いやすいという予想も当たっているような気がします。
オスは交尾経験が無いメスが特別に好きなのかと予想していましたが、このメスが妊娠中だったことを見るに交尾経験があっても若いメスが好きなようです。
オスのちょっかいの様子を見ていると、メスをオスの居ないケースに隔離してあげようかと考えるほど時々メスが不憫になります。
特に、ケース内のダンゴムシの数が多いと単純にオスも多いため求愛される回数が増え、疲労困憊となっているメスをよく見かけます。
オスもたまに触角が取れる
このオスダンゴムシは私が発見してから2週間で触角を再生しました。
左の元からある触角よりは小さいですが節は全て揃っています。
映像の中でメスにくっついているのでオスだと分かります。
オスもたま〜に触角が取れますが、これはオス同士のメスの取り合いの中で取れてしまうんじゃないかと想像しています。
ダンゴムシの触角欠損についてご紹介しました。
ご参考になれば幸いです。
\ ダンゴムシの心に踏み込む本 /
【関連記事】
dangomushijouhou.hatenablog.com
【撮影機材】
・ TG-6
【参考記事】
ダンゴムシジャパン『触角1本のダンゴムシの原因を探る』
http://dango64jp.starrypages.net/syokkaku1pon.html
だんだんダンゴムシ『怪我をしたダンゴムシが復活した』
http://isopoda.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/post-f341.html
だんだんダンゴムシ『メスのダンゴムシはオスに近寄り、オスはメスに近づく』
http://isopoda.cocolog-nifty.com/blog/2020/08/post-0ae667.html